○「礼儀正しさ」:礼儀正しさの判定基準は「挨拶」と「言葉遣い」の二つに分けられる。まずは「挨拶の仕方」について。基本的には「頭を下げる」のではない、ということを認識する必要がある。頭は動かさず、「腰を【くの字】に折る」ことが重要である。背筋は伸ばしたまま、手は横に置いたまま(女子は前で組んでもよい)、棒を真ん中で折り曲げるような要領で体を傾けると、きれいな「お辞儀」に見える。角度は大体30度程度。もちろん、練習が必要である。こうした挨拶ができると、その人は日ごろからきちんと人に頭を下げる習慣が身についているという印象を与えることができるし、そうした習慣を身に付けているならば、その人は日ごろから礼儀正しいと見なされる。
次に「言葉遣い」について。基本的には「です、ます」が使えれば問題ない。また、方言が出ることは構わない。目上の人に対して使うべき言葉で、きちんと会話が出来ていればよい。聞こえが悪いのは「ら」抜き言葉。「食べれる」「見れる」といった言葉を連発すると、教養が無いと思われる。また、年相応の基本的な語彙が無いと、幼稚な印象を与える。これは私の体験談であるが、「達成感」という言葉が出てこなかった(知らなかった?)生徒が「やった感」と発言したことがあった。練習だから良いものの、本番でこれを発言したら面接官が吹き出しかねない。面接を受ける生徒は18歳以上のはずだから、それに応じた語彙を持っておく必要があるのである。
あと、上記以外の要素として「目線」と「着席までの手順」について述べておく。
○「目線」:面接中に自分の視線をどこに持ってゆくかで悩む生徒がいる。面接中は基本的に背筋を伸ばし、顔を上げている状態なので、目線は自然と面接官の方へ向かうはずなので、そのまま目の前の面接官を見ておけばよいと思う。面接官が複数の場合は、相手から話しかけられた場合はそちらの方を、自分が話しかける場合には、質問をした面接官を中心に、時々他の面接官の方にも目線を向ける、といった程度でよい。日本人は面と向かって相手の目を見ながら話を聞いたりしたりすることを避ける傾向があるが、面接において「目線があること」は自分を印象付けるために非常に重要である。目を伏せていると「自信がないのか」と思われたり「社交性がないのか」と思われたりする。たまに「私が面と向かって相手を見ると、ガンを飛ばしているように見える」という人もいるが、目を大きく見開かなければ、普通はガンを飛ばしているようには見えない。「笑顔の練習」をする際に調整しておくことが大事である。「やぶ睨みになってしまう」という人もいるが、コンタクトレンズや眼鏡の調整で何とかなることが多いので、事前に眼科で確認すること。また、眼鏡のふちが太すぎると、過剰に「軽い」感じを与えてしまうことがある。ふちが細めの眼鏡の方が「理知的」に見える。学校や予備校では「個性」を出すために太目のふちの眼鏡でも構わないが、面接のために必要であればふちの細い眼鏡を一本買っておいても損はないと思う。合格のための投資だと思えば、それほど高くはないはずである。
○「着席までの手順」:着席までの手順は、会場の大きさ、扉の形態、入り口から椅子までの距離、誘導の有無などで多少変化があるが、以下、大まかに共通するものとして手順を述べる。
①:扉の外で「コンコン」→面接官「どうぞ」
②:扉を開ける→「失礼します」(ここで礼)→扉を閉める→その場に立つ
③:面接官「受験番号とお名前をどうぞ」→「受験番号●●番、■■■■です(と申します)。宜しくお願いします」→その場に立ったまま
④:面接官「どうぞおかけ下さい」→移動→
椅子の横に立ち※「失礼します」(ここで礼)→着席→姿勢を正し、顔を上げる〔※椅子の前に立つと、目線が生徒=上、面接官=下となるので印象が悪い。立ち位置を少しずらすだけで印象は大分変わる〕
⑤:面接官「ただ今より受験番号●●番、■■■■君(さん)の面接を始めます。よろしくお願いします」→「よろしくお願いします」(座ったまま礼)
といった感じである。動作はきびきび行うこと。歩き方も見られていることを忘れずに、姿勢よく歩くことが大切である。座ったときの脚の開き具合であるが、男子であれば肩幅程度、女子はパンツであればなるだけ閉じ気味に。制服のスカートであればパンツと同様で構わないが、浪人生でスカートで臨む場合、足を閉じてひざ下で少し斜めにしておくとよい。斜めにすると脚が開きにくくなるからである。パンツでも脚が開いてしまうという女子は、スカートと同様、斜めにしても構わない。
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