(問1):自分が自分自身の主人になる方法とは?(18字)
(問2)
ある人が自分に与えられた運命の範囲を受諾し、その中で自分に与えられているものを数えて感謝の気持ちで喜んで生きていると、自分の受けている幸福の一部を他人に与えようとする。すると与えられた人は相手が自己自身の幸福の一部を与えてくれたことに感謝して、そこで得られた自己の幸福の一部を最初の相手に与えようとする。そうすると最初のある人は自分の与えた幸福によって相手から幸福を得ることになる、というからくり。(198字)
(問3)
医師を一生の仕事にするには、自分の与えられた使命を十分に理解し、患者の幸福を自分の幸福と考えられるような価値観を持って生きるような人間であるべきだ、と私は考える。医師とは人の命や健康に直接貢献することができるという意味で非常に名誉な職業であるし、相応の収入が得られるという意味で他人から羨ましがられる職業でもある。一方で、患者のために休みなく働き、病気の急変にもすぐに駆けつけ、人の命に対する責任を常に意識しながら生きていかなければならないという意味では他の職業よりもはるかに苛酷であるとも言える。その辛さだけを考えれば他の職業を羨ましく思うこともあるだろう。
しかし筆者の言うように「一人一人が得難い素材」であるとすれば、医師になれるような才能を天から与えられ、学習と努力の能力を親や教師から与えられることで、今の自分もまた得難い素材となったのだということを忘れてはならない。それを磨き上げ、一生かけて一人前の医師として大成してゆくことが、自分に何かを与えてくれた人に対する恩返しになる。患者の健康を守り、幸福にすることはその恩返しの一部である。患者は健康になること、幸福になることで、その一部を感謝や笑顔という形でまた医師に与えてくれる。そういう人生を素直に肯定し、幸福だと考える人間が、医師を一生の仕事にできる人間である。そしてそうした生き方が自分を医師にしてくれた人の幸福にもなるのだと私は思う。(598字)
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